モバイル業界の歴史から「通信事業はサービス業態になる」

みなさん こんにちは 株式会社エクソン代表の荒巻です。
前回のブログでは、モバイル業界の歴史を振り返ってみました。
土管屋と言われた通信業界から、i-modeに代表されるインターネットサービスへの進化は日本が主導した。
この固定電話が、無線電話になり、無線電話がケータイ電話になり、ケータイ電話がインターネット端末なる。
このようなビジネスモデルが激変するのは、モバイル業界特有の現象なのかどうか。
人間は歴史の中に存在する。
実は、他の業界でも同じような進化を多くは辿っている。
こんな終わりでしたね。
さて、株式会社エクソンが、キャリアとの付き合いの中で当初から言ってきたことは、そもそもなんだったか。
エクソンのビジョン
コンサルティング会社として「お客様をどうとらえているのか」。
【機械装置産業からサービス産業へ】
これが、うちの会社がキャリアとつき合う上で打ち立てたビジョン。このビジョンを基軸にした研修やら色々な設計をしたのが20数年前。
通信会社は、通信信号をそのままAからBに運ぶ仕事をしていれば機械が黙って稼いでくれる世界。昔は3分10円の市内通話とかだったのを知っているのは昭和の証拠ですね。
通信事業というのは、3分経つたびにチャリンチャリンってお金が入ってくる商売だったわけです。
交換機が黙って24時間稼いでくれる機械装置産業という話です。これが、土管屋さんと言われた所以です。
でも、それがi-modeの起こしたイノベーションが通信会社のビジネスモデルに変革が起こしたってやつです。
歴史は繰り返す
歴史を振り返り、同じようなイノベーションがどこで起きたか。IT関連という面で一番判りやすいのはコンピュータ業界の話。
昔のコンピュータ業界は「ハードウェアを買って貰うためにソフトウェアはタダで提供する」のが当たり前だった時代。(そんな時代があったのを知っているのも昭和の証拠ですね)
それを米国IBMがハードウェアからソフトウェアや各種サービスを切り離し、サービスでの付加価値創造を始めたのです。
こちらに詳しくある。
機械を売ることは付加価値が低いという意味ではなく、それに付随するサービスで稼げる体制にしたことがIBMの大躍進につながったわけです。(最近はIBMも少し寂しいですが)
機械装置を作って売る。そして、それのランニングで保守料金を頂く。その代わりソフトウェアは無償で提供します。
昔のコンピュータ業界も昔の通信事業と同じように機械装置が稼ぐ時代が長く続きました。
それがなぜIBMが「Software Unbundle(ソフトウェアはタダではありません)に舵を切ったのか。
機械というのは物理的に大きさも重さもあります。製造するためには、工場や製造装置。当時はとても多くのエンジニアや組み立て労働者も雇っていたことでしょう。
しかし、ソフトウェアは1つ作ってしまえば、メディアに保管しておくことができる(今みたいには簡単な話ではありませんが)。複製して、何度でも換金できる。アップデートという保守サービスも継続的に結ぶことができる。
色々なお客様が競争力を上げるためには、ビジネスプロセスを変えるためにはソフトウェアで業務改善をしなくてはいけない。
そのための業務分析をコンピュータ視点でコンサルティングする必要がある。いわゆる上流工程の分析です。コンサルタントが活躍する分野です。
ここでコンサルティングサービスが生まれたわけです。
実は、コンピュータ業界というのは機械装置産業から明示的にサービス産業に進化した先駆なのです。
他にも、自動車産業もクルマを作るだけではなく、そのメンテナンスサービスやレクレーションサービスの提供と裾野を広げています。
ビジネスは高次産業に向かうのが歴史
産業の歴史は、第一次産業から第二次産業に進化し、そしていま第三次産業という形でサービス業態に進化するのです。これが高次に上がるという意味です。
なので、モバイル業界も「機械装置産業からサービス産業に進化する」のは必然と、i-modeとかが始まる前からお客様には言い続けていました。
それが、i-modeの出現によって具現化しはじめたわけです。その後は、おサイフケータイをきっかけに、金融分野(サービス業態の最たる業種)へ発展もしていきました。
さて、話をモバイル業界の法人営業の話に戻さないといけませんね。
モバイル業界の法人営業がなぜソリューション拡販と言われるのか
モバイル業界の法人営業にキャリアから求められているのは「ソリューションの拡販」
現状を(本当に)簡単に言えば「スマホ・タブレットとクラウドサービス」のセット提案をどんどんとやっていこうと言うことですね。
NTTドコモの法人営業としてのWebを見ると良くわかりますね。
昔のモバイル業界でしたら、これから市場ができるという好環境のなか、通信交換機が24時間稼いでくれるので、その通信を増やすための端末はゼロ円なんていうビジネスとしてはとてもいびつな状況。
お客様もタダでモノが貰えるなら、欲しかったから契約するよ。ユーザーが増えれば通信通話料金は下げることができる。
ランニングコストも下がれば、ますますお客様は買ってくれるウハウハな業界。
しかし、前回のブログで書きましたが、この天国のような市場が激変ってなったわけです。
そんな中でモバイル業界の法人営業に「物販ではなくソリューション」と号令がかかり、スマタブの時代になって、それがなぜ本格化してきたか
そして、モバイル業界代理店法人営業が本気でなにを追いかけないといけないのかを次回書いてみたいと思います。